2007.11.23
【奈良県】
山の辺の道(Map)
「山の辺の道」とは、日本の史実に最初に登場した最も古い名を残す道だそうで、奈良盆地の東端を山裾に沿って続く曲がりくねった「里道」(印象から勝手に付けた名前)です。
なぜこの道が史実に登場するほど重要な道なのかと考えたとき、平坦な奈良盆地は以前一面の湿地帯(もしくは湖)だったのではないか、との話しにとても説得力を感じました。
平坦な盆地を眺めながら「ここが湖だったら、その水辺をたどるように歩いただろう」こと納得しましたし、だとすれば天香具山(あまのかぐやま)などは湖に浮かんだ小島だったわけで、歩いて行ける場所ではなかったとすればさぞかし密会に適した地だったことと、勝手な思いをはせておりました。
「万葉集の里」といわれ道沿いには和歌の歌碑が数多くあり、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)などはいくつもあったりします(その名前を習ったのは中学・高校?)。
上写真左下は額田王(ぬかたのおおきみ←耳にしたことありますよね?)の歌碑ですが、ままいい年したおっさんも「何て書いてあるか読めないや」ですから、そういう存在ということで仕方ないのではないでしょうか。
本日歩いた桜井市には、最古と言われる「古墳」「神社(古神道)」や「古代の市場(海柘榴市:つばいち)」「仏教伝来の地」などが伝えられる大和文化発祥の地であり、邪馬台国の最右翼とされています。
そういうものばかりに触れたからでしょうか、どうもここはわたしのルーツとは違うという印象を今回感じました。
現在のわたしの現実につながらないと感じるのは、思い入れが出来ない程に遠い時間的距離感なのか、どこかで聖域を守ろうとしている国家の制約(天皇系譜研究への慎重さ)のせいなのか?
説明は理解できるけれど実感として自分の実にならないと言うか、共感できる部分を自分は持ち合わせていないと言うのか、一線を画されているような気がしてなりませんでした。
きっとこちらの気の持ちようなのでしょうが、どうも神話の世界に近いと感じてしてしまうのがいけないようです。
奈良盆地の田園風景には、他の土地で感じる以上に様々な「勝手な空想?(イマジネーションの飛躍)」をかき立てられる印象があるのですが、それがかけ離れているのですよきっと……
上記の説の裏付けとして、水辺を迂回する道であれば無用な登り降りはしないように、この道にも大きな起伏はありません。
それゆえ、おばちゃんたちにも絶好の散策コースのようで、天気に恵まれた連休ですし、多くのグループが大騒ぎしておりました。
道ばたには無人の露店が数多く出ており、100円均一で取れたての果実や野菜が並べられています。
それを見ては黙ってられない本能でしょうか、ビニール袋を両手にぶら下げて「あそこでも買っちゃったわよ」の大はしゃぎの声が、あちらこちらから聞こえてきます。
買うのはいいけど、それ持ってハイキングするのおばちゃん?
なんて大きなお世話だったようで、どうもそういう「お買い物スポット」があるらしく、それ以外の場所ではパッタリ姿を見かけなくなりましたから、さすがおばちゃん! です。
そんな喧騒から逃れると(おばちゃんがいなくなったの意。同時に若い娘らも消えます)急に人も減り、タッタカ歩くことが目的のハイキングチームと、妙なカップル(分かります?)が歩く程度の人影少ない里道になります。そんな道をおっさんがひとりで歩いているわけですから、何と思われているか。
でも、そんなところだからこういう景色もあるわけです。
上下写真で言いたいこと伝わると思っているのですが……
下写真中程は耳成山(みみなしやま)──万葉集の里なので「耳なし法一」(平家物語?)よりは古いことになります。のっぺりとした山なので、特徴の無い山を人の顔に例えた命名との伝えがあるそうです。
今回は「奈良の秋の風景」のイメージに近い絵が撮れたのではないかと思っています。
前回訪れた7月頃に企画し始め、涼しくなってから行こうと考えていたのですが、季節がちょうど良かったようです。
それにしても奈良に来ると歩いちゃうんだよなぁ、4時間くらいブラブラしてました。
家から往復4時間掛かりましたし、帰りの電車ではガァーガァー寝てました。
──帰りの近鉄電車の中でわたしは合計40分ほど寝ていたのですが、前に座っていた3人家族はずっと起きていたようで(小学生程度の男の子が元気で)「結構長いわね」「でも、2時間は乗ってないよ」とケロッとしていました(吉野の方へ行ったようです)。もう、体力の無さを実感です……
下写真は金屋の石仏(左:弥勒と右:釈迦が並んでいるのは実はおかしいそうです。勉強しておきます)。
本日のスタート地点の柳本駅前に「卑弥呼の里」の案内。
「オッ、何かあるのかな?」なんて思うわたしがアホやねん。
そんなもんあったら「証明されてません」と研究者から怒られますがな!
まあ「イッシー いるかな?」(古いねぇ〜:鹿児島の池田湖には、恐竜のうわさを元に立てられた看板がありました)のように責められない気もしますが。
──イッシーと一緒にしたら怒られるかなぁ?
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